5万本に1本産地の宝に~北原早生顕彰碑除幕式~
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2026.10.15
JAみなみ筑後柑橘部会は9月、みやま市山川町で「北原早生顕彰碑」の除幕式を開きました。北原早生は地域を代表する優良品種として普及が進み、産地の発展を支えてきました。式には古賀誠・自民党元幹事長、板橋聡・福岡県議会副議長、みやま市長、大牟田市長ら約50人が参列し、北原早生の発見と普及に尽力した関係者の功績をたたえました。
北原早生は、同町伍位軒地区の北原悦雄さん夫妻が2001年、1981年に植えた「原口早生」の木から発見した品種です。一部の枝だけが元の木と異なる性質を持つ「枝変わり」と呼ばれる突然変異から生まれたミカンで、その発生は「5万本に1本」ともいわれる極めて希少なものです。
発見当初は、元の品種の性質に戻ってしまう「先祖返り」の可能性も考え、翌2002年は夫妻で生育を見守りながら栽培を続けました。果実の特性を確認したうえで、2003年からJAや福岡県、関係機関と連携して本格的な調査を開始しました。その後も特性の確認と普及に向けた取り組みを重ね、2009年に品種登録され、2010年から苗木の供給が始まりました。現在では約4万5,000本、約45ヘクタールまで栽培が広がっています。
北原さんは発見当時を振り返り、「自分が見つけた品種で、後々どうなるのか不安でいっぱいだった」と話します。それでも、部会をはじめとする関係者の支えを受けながら普及に取り組んできました。
「1人で栽培していても、ここまで大きくすることはできなかった。日頃から柑橘部会にお世話になっているから、みんなで栽培したかった」と、産地が一体となって品種を育ててきた歩みを語りました。
自ら発見した品種が市場に出回り、店頭に並ぶ姿を見た時のことについては、「市場や消費者から高い評価をいただいていることを知り、うれしかった」と笑顔を見せました。また、品種の普及を支えた関係機関への感謝を述べ、「部会の支えが大きかった」と話しました。
山川町は標高が高く、かつては柑橘の酸味が強く出やすい地域でした。しかし近年は温暖化の影響もあり、栽培に適した環境が整いつつあります。産地では「もう一つ思わず手が出る山川みかん」をキャッチフレーズに、食味の良いミカンづくりに取り組んできました。
北原さんは今後の産地づくりについて、「消費者が思わず手が出るようなみかんを届けたい」と意欲を見せています。
産地では現在、次の世代に向けた基盤づくりも進んでいます。2024年からは大規模な基盤整備事業(園地の造成や区画の整理など)に着手し、約26ヘクタールの園地を造成しています。今年は新たに5人の新規就農者が加わり、産地の将来を担う新しい力も育っています。
顕彰碑は、希少な枝変わりの発見を産地の財産へとつなげた北原さん夫妻と、普及を支えた関係者の歩みを後世に伝えるとともに、次の世代の産地づくりへの決意を刻むものとなりました。









