出荷経費削減に向け、出荷箱の簡素化に取り組んでいます。

 

 JAみなみ筑後は、農家の所得向上に向けたJA自己改革の一環としてスモモ、イチゴ、キウイフルーツなど果物の出荷箱の簡素化に取り組んでいます。これまで二重構造だった箱の外側を1重に変えることで箱が薄くなる分、段ボール代が安くなります。箱組み作業も短い時間で済むため労務コストも浮き、箱の強度はこれまでとほぼ変わらず、JAは輸送試験で最大で約3割、箱代を減らす効果を確かめました。

 これまでにスモモ、イチゴ、キウイフルーツで簡素化した箱を使い輸送試験を実施し、福岡や東京の市場向けに実際に出荷しました。その結果、荷崩れや内容物が傷むような問題は見つからず、出荷箱を積み上げた場合、最下部の箱にPPバンドの緩みやわずかなつぶれが生じましたが「通常の物流では十分な強度がある」とJAは判断しています。

 箱代の削減効果はスモモが最も大きく、従来品より33・15%安くなる見込みです。キウイフルーツの値下げ率は25・5%、イチゴは4パック詰めで20%、2パック詰めで16%でした。

 雨の日など湿度が高い環境だと強度に影響が出る恐れも残るため、JAは湿気対策も視野に入れ、ブドウでの試験も実施しました。販売担当者は「出荷経費が削減でき、農家所得の向上に繋がる」と期待します。(写真=従来の段ボール箱(写真左)と簡素化段ボール箱(写真右))